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■ごあいさつ 森慶太 2011.06.26

 2011年6月21日(火曜日)。つい昨日、『間違いだらけのクルマ選び』復活版が発売された。6年ぐらいのブランクを経て。巨匠=徳大寺有恒、と、今回(から?)は島下泰久君との共著。今日の午後、そのうちの1人と会って話す用事があった。毎月いっぺん、2人でクルマのことを喋ってその内容を文字にしている。『Fロード』というクルマ雑誌でやっている連載企画。買うから1冊もってきて、と頼んでおいたのだけど、「もってないんですよ」だった。だからまだ読んでいない。どういう内容なのかは知らない。
 『間違いだらけのクルマ選び』2011年と1/2版、自分ならどう書くか。それはすぐ言える。ゴルフ1.2TSIを基準にして書く。もっというと、書くまでもないくらい話はごく簡単。「どうしてもそれではダメという確たる事情なり理由なりがないのなら、迷うことなくゴルフ1.2TSIをお買いなさい」。以上終わり、で実用クルマ選びの答えにほぼなってしまう。それだけではなかなかカネはとれないけれど、状況はそう。3列7人乗りが必要ならトゥーランかシャランを等の補足もあるけれど、おもしろいといえばおもしろい。つまらないといえばつまらない。いずれにせよ、いまの日本でゴルフ抜きの実用車選びはちょっとありえない。もちろん世の中全体の認識がそうなっているわけでは全然ないので、つまりそこに巨大なギャップがある。ギャップすなわちビジネスチャンス。
 奥付によると「1976年11月15日 第1刷発行」の最初の『間違いだらけ~』(俺の手元にある1冊は1977年2月12日発行の第15刷)の内容はいっぺんすべて書き直されたあともの--という話はそこそこ有名だと思う。著者をして原稿を全面的に書き改めさせたのは、彼が購入した初代ゴルフだった。「日本車もまぁまぁ」という考えは大間違いだと、ゴルフに乗った当時の巨匠はわかってしまった。その頃と似たような状況が、いまある。
 ガイシャの世界でVWゴルフはずっと定番の銘柄でありつづけているけれど、ゴルフが常に実用車界の輝けるお手本であったわけでは必ずしもない。Ⅰ型Ⅱ型Ⅲ型まではよかったけれど、Ⅳ型(1997年~)は違った。内外見た目や触感のイイモノ感が突出しているところ以外には特に見るべきもののない、ヒドくはなかったかもしれないけれどクルマのデキとしてはワンオブゼム程度かそれ未満の存在だった。Ⅲ型まで順当に進化してきて、Ⅳ型でゴルフは少し変節したのかもしれない(GTIがトリムグレード名のワンオブゼムになってしまったのもこの世代)。
 そこに初代フォーカスが出た(1998年)。〈高く短く〉の教科書どおりのキャビンパッケージングと、それをストレートにそうは見せず、むしろ強烈なアイキャッチ要素に転じもした巧妙な外形スタイリング。新世代のリアサス(ダブルウィッシュボーン)と、その能力をよくいかしたシャシーダイナミクスの仕上げ。無難だけれど凡庸、冴えない、というそれまでのフォード車のイメージ(と実態)を、初代フォーカスは一代で一変させた。ばかりでなく、ゴルフからクラス王者の座を奪った観もあった。
 また一方、ゴルフⅣが出る少し前、1996年にはルノーからメガーヌ・セニックが出ている。ゴルフ級の背高モノ派生車種としては欧州初で、それが大ヒットになった。そのメガーヌ・セニックの対抗車種を出すことが、ゴルフⅣ時代のフォルクスワーゲンにはできなかった。トゥーランが出たのはようやっと2003年、つまりゴルフⅤ世代以降。Ⅳ世代は、そこまでの要件を折り込んだデザインにプラットフォーム(や生産ライン?)がなっていなかったのではないか。すっかり後手にまわったカタチ。
 安く作れないぶんは(グループ内他ブランドでの展開もふくめた)圧倒的に数を売ることでカバーするという想定のもとまずはガッチリとした土台を確保し、TSIやDSGといったタマを投入しつつ、シャシーチューニングやインターフェイスの特性の作り込みもふくめてブラッシュアップやバージョンアップをやり続けた--というのが、簡単にいうと第Ⅴ期だった。だからⅤ型のゴルフはずっとよくなり続けたし、逆にいうと常にまだ途中だった。ある完成状態に達したのはその続編である現行、つまりⅥ型になってから。ということは、ついこないだ。
 一度落ちたゴルフが見事王座に返り咲くまでに、少なく見積もっても12年か13年ぐらいはかかっている。その間ずっとハンパでない努力が開発当事者によって払われ続けたことは想像にかたくない。落ちるのは簡単。戻すのは大変。「ゴルフ1.2TSIでキマリ!」といえるいまの状況になるまでに、簡単にいってそうした経緯があった。ドラマがあった。だからやっぱり、つまらなくはない。
 ゴルフにかぎらず、いまのVW製品はどれもいい(もちろん、モデルや仕様によってデキや説得力のレベルに凸凹はあるけれど)。ずっと後になってふりかえったら、「あの頃は黄金時代だった」ということになるかもしれない。というか、なると思う。ずっと絶好調のままということはないだろうから。またゴルフに関しては、この8月あたりに日本へ入ってくる2012年モデルがⅥ型としては最後のフェイズにどうやらなる。その次のゴルフⅦでは、Ⅳ→Ⅴのときほどガラリとではないだろうけれど、プラットフォームが一新される。ことによったら、ハイブリッド動力等のバリエーション展開も当初から視野に入れて設計されたものになる。
 2011年半ばのいまは、実用クルマ選び的にそういうときです。「どうして俺はゴルフ1.2TSIを買わないのか?」を真剣に考えるときだ、ともいえます。当メールマガジンのための最初の文章として、俺はこういうものを書きました。ご挨拶がわりに。それと、自分のためにも。ということで、皆さん、よろしく。読んでくださって、ありがとうございます。この次のも、読んでみてください。よろしかったら。さっきfacebook上で広報部長のアラセさんが「よろしかったらウチのクルマも……」といってくれたので、雑誌からの依頼を待っていたらこの先まずやる機会はないポルシェの試乗記も書けるかもしれません。レンタカーでプロボックスの試乗記を書きたい、とも思ってます。
 この場所は、いままでのクルマ雑誌やクルマ本やクルマのメディアに書かれてないナニゴトかが書かれるための場所で、そのための仕事を俺は「落ち穂拾い」と呼んでいます。その落ち穂、ちょっとかき集めたらひと冬ぶんかもっとの燃料にはカルくなるくらいの埋蔵量があるはずです。お客さんがある数ついてくれて続けていけたらなにを書いてもいいので、たとえばオーダーを受けたクルマの試乗記を、なんてのは全然ありです。もちろん、お客さんからの質問にはキッチリ答えさせていただきます。できるかぎり全部に。というわけで、皆さん、よろしく。それはもう書きましたね。


■Q&A 森慶太 2011.06.26

 当メールマガジンでは読者様からの質問に誠心誠意、答えてまいる所存でございます。ついてはサンプルを、ということで、先日の打ち合わせの最中に慎ちゃん沢村先生がA5縦サイズ(5mm角の方眼罫入り)の紙にサラサラと箇条書きしてくれた質問に答えます。えーと?

質問1:なぜトヨタが嫌いなの?
回答1:あれは忘れもしない……いつだっけ? 『NAVI』の新人小僧でAE86カローラ・レビン広報車オチex編集部の先輩所有者をマイカーにしていた頃の話です。ブレーキパッドがなくなってキーキーいいながら走ってた(止まってた)状態で練馬区(杉並区?)の鷺ノ宮あたりのトあるトヨタのディーラーへかけこんだらば、修理対応お断り。理由:違法改造車はウチでは取り扱えない。そのときの俺のカローラレビンはステアリングホイールがナルディのクラシックかMOMOのナントカに換えてあって、あとフロントの座席×2がプリンツ(ケーニッヒのジュニアブランド)のに換えてありました。で、お断り。彼らがいうところの違法改造車でもやってくれるどこかへ向かうか、または違法改造車ではなくするためにどこかへ向かう、その途中にナンかマズいことがあっても「そんなの俺らの知ったこっちゃねーや」。とはいわなかったですが。
 そのとき俺は心に誓ったのです。「この先一生、トヨタのクルマだけは買うまい」と。ウソです。別にトヨタ、嫌いじゃないですよ。むしろ好きだからこそ……ってのもウソです。「日本を代表する製造業なんだからしっかりせえよ。マトモなクルマ作りーや」が対トヨタの態度のベース、というのが公式回答でしょうかね。それとは別に非公式回答がナンかあるわけではありません。特に。
 でも、いま思い出したらまた腹立ってきた。オマエらがこないだ出した(いまもある)楕円ハンドルよりは、ナルディもMOMOもはるかにユニバーサルだったぞコラ。あんときの俺のレビンについてたプリンツよりマトモなシート、この20年で一度でも作ったことあるんか?! でき損ないの日本の官僚組織みたいになっちゃってるいまのトヨタ、俺は真剣ヤバいとみております。

質問2:半ズボン、試乗会でおこられませんか?
回答2:不快感を顔や態度に出さないのがオトナです。自動車メーカーやインポーターの皆さんはオトナです。モリケータの半ズボン姿を非難したところで、彼らの得になることは別にありません。半ズボン姿でこられたらマズいようなところへは、彼らは俺を呼びません。

質問3:原稿書きのPCは何を使ってますか?
回答3:SONYのVAIOのノート型です。PCG-FX55J/Bという型番表示がいま、見えてます。たしか2002年の12月頃に買いました。新品を、17万いくら円で。ソイツに富士通OASYSのワープロソフトを入れて、当初はそれで文章を書いてました。1989(平成元)年4月に千代田区神田三崎町の『NAVI』編集部にいったら俺の机の上に新品の富士通のワープロがデンと、まだモニターがCRT(しかもモノクロ)だったのでまさにデンと置いてあって、「じゃあこれでまずはテープ起こしやって」と言われて以降俺はずっとOASYSで文章を書いていたのです。最初のワープロ、キーボードはJIS配列でした。親指シフトでなかったことはホントにラッキーでした。
 あるときフと思い立ち、ワープロではなくテキストエディタのソフトウェアを使って書くことにしました。WZ EDITORというのを箱で買ってきて、CD-ROMでコイツ(PCG-FX55J/B)にインストールしました。で、現在に至る。WZ EDITORを使って書いた原稿でいちばん古いものは、パソコン内を探してみたところ2006年10月2日のでした。それからしばらく経って気まぐれに起動してみたところ、いつのまにか富士通OASYSは使用不可。それを使って作成したファイルは開けなくなっていました。
 富士通OASYSからWZ EDITORへスイッチして以降もIME、つまり日本語変換ソフトウェアはずっと同じです。いまでいう、富士通JAPANIST。それがないと俺は仕事用の文章を書けません。たとえばXのキーを押すといわゆる音引き、アーとかイーとかのときの伸ばす記号が入力されるとか。あるいは、Lのキーを押してからAとかIとかYAとかを押すとちっちゃい字になるとか。MS-IMEは、少なくとも自分のWindowsのパソコンでは使ったことがありません。あと、MS-Wordも。
 WZ EDITORの作業環境に関しては、表示されるフォントがすごい気に入っている、というのもあります。写真参照よろしく。スタジオでレコードを作るミュージシャンにとってのモニタースピーカーみたいな存在が、俺にとってはこのフォントこの字間この行間なのですよ。それでイイ感じに見えるように書いている。ので、雑誌のページになったのを見てギャッとなったことが何度もあります。
 PCG-FX55J/B君、何年か前にHDDからカリコリ系の音が出はじめたので新品(すでに古い=マイナーな規格になっていたので容量のわりに高かった)に交換しました。バッテリーはとっくの昔に死んでます。電源ケーブルの接触状態が、ごくたまにおかしくなることがあります。でも、それら以外はいたって健康。SONYの製品は信頼性が高い、と俺は思ってるくらいです。去年だったか、ほぼ完成間近のところまで書いた文章がスッとんだことが一度だけありました。そのときは泣きそうになりましたが、記憶を頼りに気合いで書き直したらほぼ同じものをササッと書くことができました。
 というわけでSONYのVAIO、PCG-FX55J/Bはオススメです……じゃないな。アタリでした。俺が使ってる仕事の道具のなかで数少ない、「モトとったなあ」な1台。

質問4:AE86ってそんなにいいクルマですか?
回答4:エンジニアリングや製品企画の観点からして、特別見どころのあるクルマではなかったと思います。お化粧落としてシリコン抜いたら、どこの誰かもちょっとわかんないくらいフツーの後輪駆動のカローラ。でも、だからこそいろんなイリュージョンやイメージのフレアがのっかるベースとして好適だったのかもしれないですよ。もちろん、実際に大きかったのは導入時期的なことでしょうけど。あと、たとえばの話ユーノス・ロードスター(素っぴん美人だしエンジニアリングや製品企画の観点からして非常に見どころの多いクルマですが)というのは走り屋の皆さんの価値観的にナンか違うわけです。ロードスターから入って結局走り屋になっちゃった人は大勢いるでしょうけど。
 この質問はすごく慎ちゃんぽいなあ。俺はオトナなので、暖簾に腕押しの回答をしました。AE86、好きかキライかでいうと俺は好き。もしまた買うなら、レビンかトレノかはやっぱりレビン。目がパカパカ開いたり閉まったりはイヤ。3ドアのハッチか2ドアのノッチかは、こんどは2ドアにしたい。ボディ剛性が全然違うから。パワステ……はちょっとほしいかも。こんどもまた。でも、今後もしそっち方面の欲求が高まったらその欲求の向け先はロータス・エリーゼ1.6あたりになると思います。気持ちイイ重ステのクルマ、乗りてー!!

質問5:いちばん思い出のある所有車は?
回答5:アウトビアンキY10FILA(ハードウェア的にはFIREと同じ)。新車があったら、いや中古でもいいから、あったらまた買いたいクルマのナンバーワン。初代パンダもイイけど、乗ると違うんですよY10は。ちゃんと長距離高速(つってもたかが知れてますが)走行方面ののことを重視した走りやインターフェイスの特性のクルマになってて。「大きなクルマは必要ない(けど近場をチョコチョコ走るためのクルマでいいわけではない)」っていう人のための小型車だったのですよ。イタリアの。思い出のあるクルマというか、コイツはクルマがヨカッタ。

質問6:いちばん好きになれなかった所有者は?
回答6:M2 1028。NA型でアーだコーだ改造してあって、アタマのなかでは理想のロードスターだった。ので買った。ら、ロクすっぽ乗らなかった。乗りたくならなかった。車庫から出すだけでイヤになった。本体168万円とかの中古(走行2万km未満)を買って、3年か4年か忘れたけど持ってた間に2000kmぐらいしか走らせなかった。わざわざ買ってすぐタイヤ(ほぼ新品のポテンザ)を脱いで別のに履き替えたりまでしたのに。で、80万円で引き取っていただきました。熱心なかたに。あとで聞いたら、CGにあった長期テスト車両も担当者(ツカちゃん)はあまり乗りたがらなかったらしい。乗りたくなかったクルマの話、あんまり書きたくならないですね。

質問7:1000円高速廃止をどう思いますか?
回答7:自分のクルマ(メガーヌ)にETC車載器がついてないんで、どうでもいいです。ついてるクルマ(広報車等)を仕事で運転するときETCカードを使っても、領収証の出しかたをしらないので請求できない。それで何万円捨てたことか。もしやりかたわかっても、家にプリンターないし。少なくとも使えるヤツは。
 あと、あの1000円とかタダとかって、結局税金から補填されてるんでしょ? 道路公団に。バカみたい。ていうか、「だったら乗らなきゃソンソン」て思わせようとしてるところが愚劣。社会のインフラをそういうふうに恣意的に使う(この場合の「使う」は本来の「使う」=その上をクルマで走行することとは「使う」の意味が違う)のは。「受益者負担」という言葉も俺はキライ。日本の高速道路に関して、真の受益者はお金払ってそれを使ってる人たちではないと思うから。

質問8:ヨシ江さんとはどこで知り合ったのですか?
回答8:の前に。質問にある「ヨシ江さん」とは俺の奥さん。AUTOCAR JAPANに書いてる文章でよく引き合いに出しております。ここ読みにきてくれてるお客さんならそんなことは知ってるかもしれないですが。なにしろ、ほかの媒体でロクすっぽ仕事なんてしてないので。
 ヨシ江さんは、簡単にいうと大学のときの同級生です。クラスは違いましたが。同い年。入学してすぐ、茨城県の北のほうの高萩というところにあるダイシンエン(いまネットで調べたら大心苑と判明)というところへオリエンテーションをやりにいって、詳しい状況は忘れましたがどうも体育館みたいなところで船のデッキにあるような階段がありました。その階段の麓でナンの気なしに上を向いたら(たぶん、天井からの光がまぶしかったとかそんなんで)、プリーツがいっぱい入った白のロングスカートを履いて実にノーガードな状態でそこを上ってるヤツがいた。そのとき俺の目にうつったのは、白のプリーツのロングスカート(の裏側)とそれに囲まれてた中身のモロモロでしたよ。主に。スカートに囲われてはなかったけど靴は白黒のローファーで、くるぶし丈ぐらいのソックスを履いていて、ナマ足で……。あとはね(笑)。
 「そんな無防備なことで、これから世の中大丈夫?」と、他人事ながら思った記憶がありますよ。あれがたとえば、タイトの膝丈とかだったら問題なかった。または、ミニスカートだったらそれはそれで着ている本人は警戒した(たぶん)。だから、あれですよ。A型シェイプのロングの白の、プリーツのいっぱい入ったスカートみたいなのは危ない。だって、ギザギザのメガホンみたいなもんですから。しかも白。露光的にも問題なかったりして。なにしろギザギザのディフューザーみたいなもんだから。いやホント、神々しい光景でしたあれは。
 ヨシ江さんとは、それが初対面。あんまり対面じゃなかったですが。知り合ったのは、いつだったか忘れました。たしか、寮の俺の部屋のドアを開けたら目の前のコンクリの廊下をテクテク歩いていた。例によって無防備そうに。そんな感じでございましたよ。俺の部屋が105号室で、そのときヨシ江さんは103号室のムラカミというヤツのところへ行こうとしている途中だった。か、そこから帰る途中だった。でいずれにせよ、それは1985年の夏休みよりは前のことでした。場所は、筑波大学の追越学生宿舎の24号棟の1階の廊下の西側の端近く。
 ここから先はますます余談です。当時彼女は平砂学生宿舎4号棟(一棟まるまる女の部屋ばっか)の318号室というところに住んでいました。その頃の筑波大の学生宿舎システムがスゴかったのは、それだけわかるとまさに部屋のドアの前までいけちゃった。いまはさすがに、建物全体の玄関に暗証番号式のロックがついてるはずですが。で当時は、朝帰りで建物から出るところあたりで後ろから「泊まりか?」なんつって警備のオジサンが。茨城弁で。いやあ、いい時代でしたねえ。宿舎の自分の部屋でフーゾク営業やってた女もいた、なんて噂もあったりして。宿トル(笑)、とかいったりして。

質問9:右ハンドルと左ハンドル、どちらがイイですか?
回答9:運転環境的に問題なくて良好なのは、経験的統計的には圧倒的に左ハンドル。日本車ふくめても。だって、クルマの前席の足元のフロアというのは左ハンドルに都合のいいカタチになってるんですから。
 ETCがアタリマエになったら、左ハンドルの不利はますます減りますよ。あと、エアコンがアタリマエならパワーウィンドウもなくしちゃっていい。故障するかもしれない箇所が確実に減って吉。最後に残るネガのうちのひとつは、助手席の人を対向車線側に座らせることですか。あれは、ちょっと心苦しい。それと個人的な夢としては、右でも左でもない真ん中ハンドル、イタリア語でいうとグイダ・チェントラーレのクルマがもっとたくさん出てきてほしい。「センタードライビングポジションにはすぐ慣れるけれど、その状態で普通の右ハンドル(や左ハンドル)のクルマに乗るとすごく違和感がある」というムネのゴードン・マレーの言葉はまさに。きっと。

質問10:ポルシェ911の新車が売れ残ってるって本当?
回答10:本当かどうか、スイマセン知りません。ただ、このへんのコトに関してちょっとひとこと。いわゆるいわゆる感じでトバすこと中心に運転そのものが好きでカツ911も好きな人は、最近ますます「だったらサッサとGT3」になってる気がします。964や993の頃だったら「乗るならMTでキマリ」だったのが。なぜなら、面倒がないから。結局むしろ安くつくから。でもって、ああいうビッとした世界が911の世界だから。ヘンにイジらず、4輪のホイール・アラインメントやタイヤの空気圧をイロイロやるだけでずいぶんやれる。ずっと楽しめる。でまた最近は、タマ数が増えてきたおかげでGT3は中古が安い。いい時代。

質問11:中古車情報誌や中古車屋さんにあるものすごい数の中古車は、誰が買っていくのですか? 買われないとすると、どうなっていくのですか? 回答11:そんなこといったら、あんな新車やこんな新車を毎月何千人もの人が買ってくことのほうが不思議ですよ。わざわざローン組んで。可哀相になあ、と思わずにいられません。ディーラーまできたけど買われない新車は、まあアレですな。自社登。で新古車と化して、場合によってはマチ場のクルマ屋さんの店頭へ。売れない中古車は、たとえばオークションへ流しちゃってみるとか。それで買い手(業者)がついたらラッキー。いまは世界が相手ですしね。地球上のどっかには、ほしいと思ってくれる人がいる。しかしこれ、つまんねえ回答。

質問12:クルマ雑誌でインプレをやる人たちは、どうして箱根とかの山道へいきたがるのですか?
回答12:いちばんの理由は、クルマの写真を撮影するのに都合のいい環境がそこに、またはその先にあるから。でまた、もともと山道走るのがキライじゃないタイプの人が乗って書くことが多いから。でもやっぱり、撮影の都合ですかね。試乗記のページを作るうえで、書く人が乗るための機会の用意というのは二の次三の次ぐらいのプライオリティしかないですから。ていうか実質、ほとんどタダ働きの撮影助手ですよ俺たち。いっしょにいくときは。あと、撮影するクルマの試乗会が山道の近くかなかで開かれるから、というのもあります(やはり、撮影のための便宜を図って)。でも最近は、横浜とかの近場でやる試乗会も増えました。それでいいですけど全然。
 いわゆる山道をいわゆるっぽく走ってはじめて「あ、これはイイ!」とわかるようなクルマは、基本的にないです。いま俺が思いつくかぎりで例外っぽいのは、シビックのタイプR(こないだ絶版なったセダンのほう)ぐらいじゃないですか? あと、山道いかないと試乗記書けない、ということも基本的にない。
 でも、アレですよ。もっと基本のところで、クルマってのは欲望の対象ですから。もしそうじゃなくなったら(かなりなくなってる気もしますが)、電車や電柱なんかと同じようなレベルの存在になってしまう。電車にヨクジョーする人も世の中にはいっぱいいますが、あれは必ずしも自分の所有物にしたくてヨクジョーしているわけではない。むしろ、そのレベルではゼッタイに自分のモノにはならないからヨクジョーできる種類の対象でしょう。なにをいいたいかというと、乗ってトバしてみたくもならないようなクルマでは商品としてそもそもマズい、ということです。少なくとも乗用車、というか5ナンバーや3ナンバーのクルマである以上。ここ読んでくれてる皆さんにこんなこと言うのはバカですね。
 あとひとこと。スポーツカーだから山道とかハイブリッドだから街なかとか、そういうのは「バッカみてえ」と思います。どんなのも全部まとめてロードカー。それが基本。じゃないすか?

質問13:モリさんは犬が好きですか? 猫が好きですか?
回答13:中身が人間(♀)だったら、どっちでも。ちなみに俺、人間の女の場合妙齢層以外(小学生未満と60歳以上)にはけっこうモテます(自称)。あとヨシ江は、犬タイプか猫タイプかというよりは飼い主タイプ。

質問14:このメルマガで、なにをやりたいですか?
回答14:そのへんのことは、非常にザックリとではありますが『ご挨拶』に書きました。サンプルを読んでみてください。書いてなかったら、そうおっしゃってください。このメルマガは双方向性(笑)がウリですから。

 


森慶太FMOとは?   森慶太 2011.06.26

 皆さん。いやあなた。あなたはひと月に何冊、クルマの本を買いますか? 
 雑誌としては、俺は1冊です。『ニューモデルマガジンX』を買って、そのなかの『ざ・総括』という覆面対談方式のクルマ批評のコーナーを読むのを楽しみにしています。あと、毎月ではありませんが『モータファン・イラストレイテッド』を買います。買う理由は主に、国政久郎さんの連載=『サスペンション・ウォッチング』を読みたいからです。それと、牧野茂雄さんが書いたものを読んで「この人はすごいなあ優秀だなあ」と感心したいからです。
 編集部から毎月送られてくる雑誌が何冊かありますが、それらはあまり~ほとんど読みません。俺の個人的な興味に応えてくれてくれてるわけではないからか、俺の書いたものが載ってるからか、または書いてる本人と直接会って話ができるからか……のうちの、いずれかの理由から。
 ウェブ上でタダで読めるものとしては、「クルマ好きなら毎日見てる」WebCGの試乗記を気が向いたときに読みます。WebCGのインプレのコーナーは過去の記事の検索がしやすいし、なにより笹目二朗さんが書いた試乗記が講読料ゼロ円というのが素晴らしい。あと、いわゆる媒体ではありませんが、国政久郎さんの『国政ブログ』はわりとマメに更新をチェックします。いい時代になったものです。
 森慶太FMOとは? の設問への回答に、ここの文章は(まだ?)なってません。皆さん、いやあなた、ゴメンナサイ。内容としてどんなものが書かれるかは、上のところにサンプル文章がありますので読んでみてください。
 料金設定に関して、「1000円/月は高すぎる。俺なら会員にはならない」と最初は思いました。正直申し上げて。「せいぜい500円」とか。でもそれは、一回1000円かもっとのお金払ってでもクルマの話をききにいきたい人にときどき、またはしょっちゅうタダで会える立場の人間で俺があるからかもしれません。いや、きっとそうです。あと昨日、ロジカルシンキングのセミナー(2日間コース)の受講料がお一人様10万円だとウチの奥さんから聞いてイッキにスッキリしました。それと較べたらトンでもなく良心的だと思えたからです。もちろん、良心的かどうかは俺がこれから書く内容の質と量によるわけですが。
 森慶太FMOのコンセプト。「しばらく読み続けてもらえたら、クルマのことわかってる度に関してはすぐ俺ぐらいにはなれますよ」という感じでしょうか。少なくとも俺自身は、いまの自分のクルマわかってる度(それがヘナチョコであることもわかってるつもりです)をモノサシにしていろんなクルマやいろんな試乗記やその他を味見したり読んだり評価したりするのがすごく楽しいです。あと、誰かとクルマの話をすることが。やめられない級に。それと同じくらい楽しい世界がそのへんのクルマ媒体にフツーにあるかというと、あんまりない。じゃあ、こうしてなにかをはじめるのは無駄なことではないかもしれない。そういうふうに考えることにしました。
 もうちょっと実用的なところで、もしあなたがココの会員になって毎月の記事を読んでいたために「間違ってヘンなクルマを買っちゃわないで済んでヨカッタ!」になったとしたら、あなたにとって1000円/月はリーズナブルな投資だったといえるでしょう。実のところ、いまの実用クルマ選びはある意味すごく簡単ではあるのですが。

■森慶太メールマガジン
 森慶太FMOでは、森慶太のメールマガジン『週刊森慶太』(笑)を毎週(なのぉ!? しかも3本だって!?)発行します。充実した(と評価していただけるよう気をつけます)Q&Aコーナーやメルマガならではの魅力的(と思っていただけたら幸いです)なコンテンツを提供します。以上、ここの文章はカッコ内だけ俺が書きました。メールマガジンの名称はそのうち、またはいつか、認知が十分に進んだ頃に『仏恥義理』……ではなく(原稿出すのオソいからこれはこれでナイスですが)『勃他苦理』(ボッタクリ、と読んでください)に変更したいと密かに考えております。ホントにボッタクリになってたらシャレでは済みませんが。

■森慶太トークライブ
 森慶太のメールマガジン+沢村慎太郎のメールマガジン=MOTOR JOURNALは、双方向性があることを目指す媒体というか枠組みです。より正確には、設立コンセプトの重要な一部としてそれ=双方向性があります。会員の皆様からのご質問に誠心誠意お答えするのを配信コンテンツの一部とするだけでなく、もっと直接、会員の皆様とお会いしてアレしたい。トークライブ。俺はそれを『編集会議』と名づけたい、と言いました。講読するメールマガジンが沢村慎太郎のものであれ森慶太のものであれ、会員になったアナタはもう、ただのイチ読者ではないのです。関係者なのです。俺ないし慎ちゃん先生のメールマガジンがホントの勃他苦理になっていたら、それはあなたの責任でもあるのです。そうなる前にひとこと、もっとでもいいですが、お願いします。そのための機会として月にいっぺんのトークライブがあるのだ、というふうにご理解ください。実際のトークライブは、どっちか一人だと間がもたなそうでコワいので俺と沢村さんの二人と皆さんのうちの幾人かとでやることになります。「限定30人」とかどこかに書いてあったとしたら、それはひとつには会場のハコが小さいからです。そこでもスカスカなくらい来てくれる人が少なすぎたらどうしよう? いまからビクビクです。考えたくありません。いつか順調に回っていけるようになったらゴージャスな宴会にしたい、と考えております。なので、ひとつ夜露死苦。