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https://www.newsauto.it/.../renault-motore-ibrido-e-tech.../

ルノーのe-techハイブリッドのトランスミッションがどういうふうに仕事をしてるかの説明なんですが、図解もバッチリでこれ、最高じゃないでしょうか。

これを見つけるまでにけっこう時間、かかりました。ルノー・ジャポンの公式動画を何十回もアレしながら、その合間に手を変え品を変え(つまりいくつかの検索フレーズを使って)ググり続けてついに!!  いやっほー!!

ということで、これから乾杯します。

なお、俺はイタリア語を理解することができないので、googleさんに英訳してもらって読みました。


先週のオンラインでのインタビューの動画、編集……というほどのことではないですが、前後両端のゴチャゴチャ部分をカットして「保存」しまして、いま、この状態です。「処理」が完了したらマツダにみてもらって、それで問題なかったら(たぶんないと思いますが)Youtubeにて公開します。


いやー。

NDロードスター990Sの乗り心地の仕上がりがあんまりヨカッタので、「ついては是非ともご担当者様から直接お話を……」のお願いをアレしてたんです。マツダに。あと、「Zoomみたいなのでやるなら、録画してそれをYoutubeに出したいんですけど……」ってのも。

そしたらホントにOKが出まして、で、やってました。さっきまで。インターネットのテレビ電話みたいなアプリはZoomじゃなくてTeamsというやつで、どっちにしろ俺はそんなの昨日までいっぺんも使ったことなくて、だから開始後10分ぐらい経過したところで「あー録画してなかったー!!」とかね。ありました。大きな不手際が。「レコーディングなんちゃらのところがグレーになっててポチッとできないー!!」なんてのも。

でもというか、話の内容はバッチリ!! でした。素晴らしい。

ということで、お楽しみに。



●2022年2月21日

でもってこちらは2022年2月19日に撮影された画像。

前のと較べて、どうですか。

リアの車高はいいとして、フロント。

ミョーに高くなってますよね。

バネがかわってるからですが、それはなぜかというと(あくまで)検証のため。なんの検証のためだったかというと、「フロントの乗り上げ感の強さはどこまでバネレート起因なのか」。

このクルマに「ポン(づけ)」できてレートが39N/mmや34N/mmよりも低いフロントのバネが「あ、あるじゃん!!」と気がついた機転のきく若い人がお友達ルート(?)で即入手したんだそうです。で組んで試乗→結論:「フロントの乗り上げ感の強さの原因は大半がバネ」。

「いまフロントについてるバネのレートは3キロ(3kgf/mm≒30N/mm)ぐらいだと思います。リアのレート(=62N/mm≒6.3kgf/mm)を基準に考えるとフロントは2.8キロぐらいがよさそうなんです、けど……」(プロの人)。

この「けど……」のココロは、「旋回外側のフロントが沈み込むとよくないことがおきるのかも……」という、純正標準車高用バネのレート(の前後バランス:RRのお約束からするとミョーにフロント高め)設定の意図を考えながらの、です。

この時点で、ダンパーの仕様的にはけっこうかもっとイイ感じのところまできています。いいかえると、「ダンパー側でできるのはこのへんまで」のところへきている、そうです。

フロント用のツインチューブは、分解&中身の仕様変更&再組み立てが可能なように(いわゆる「オーバーホール可能」のタイプに)作り直されています(もちろんというか、中身の仕様は純正のときとは違ったものになってます)。あとイチから新規で製作されたリア用ダンパー(別体タンクつきのタイプ)は、やった人=國政君の作業メモを見せてもらったら「ケース19」までいってました。これはつまり、ピストン+バルブスタックの仕様違いが合計19ケースだけアレされたということです(「ただし、車両に組んで走らせたのは5ケースか6ケースですけど」:談)。

この日の夕刻、プロの人たちは前後のバネを新規でオーダーして作ってもらうための要求項目出しの作業をしてました。ほしい1G車高。ほしいストローク量。レートはたぶん、何種類かずつ。組んで走らせて、ベストの前後の組み合わせを見つけるために。でリアに関しては、純正標準車高用のレート=62N/mmより低いほうは試さない、みたいです(ということはどういうことかというと、このRR車のリアをしっかり支えきるにあたって純正標準車高用バネのレートは必ずしも十分ではないと彼らは考えている、ということです)。

現状、ダンパーだけでできることはほぼ上限までいって、その一方、バネの製作をオーダーしてから出来上がってくるまでに1週間や2週間や3週間や4週間ではアレなので、つまり簡単な話、この先しばらく作業は進まないということです。少なくともダンパーに関しては。あと、エンジンやトランスミッションのマウントのゴムブッシュやサスペンションのアームやリンクのゴムブッシュやなんかについては、どうでしょう……というか、國政君は「やる」っていってました。ヘンな話、「ここから先はもう、ダンパーのせいではないですよ」という限界のラインというかエリアというかを確定させるのが、ここまでの作業だった……のかもしれません。


●2022年2月21日

2022年2月5日に撮影された画像。純正標準車高スプリング(フロント39N/mm リア62N/mm)。最初にやってきたとき(純正ローダウンスプリング&それ用純正ダンパーつき)と較べてフロントで35mm、リアで16mmだけ車高が上がっております。

その「最初にやってきたとき」がどんなだったか、撮影しとけばよかったんですけど忘れてました。ごめんなさい。



●2022年2月16日

遅くなりました。遅くなってます。ごめんなさい。



●2022年2月6日

例のRR車、その後、です。昨日の時点。

① ローダウンの純正スプリング+純正ダンパー(フロント:ツインチューブ&リア:モノチューブ)がついた状態でやってきて、試乗その他(身体測定等)

② 依頼主=オーナーさん持ち込みの標準車高純正スプリング+それ用純正ダンパー(フロント:ツインチューブ&リア:モノチューブ)のレートや減衰値やストローク量等を計測

③ ②のスプリング+ダンパーを組み込んで試乗その他

④ 車両から外した①のスプリング+ダンパーの各種計測

⑤ ④までから「これだったらやる意味はあるね」と判断し、まずはリア用のダンパー(モノチューブ+別体タンク式)を新規製作→スターター仕様のスペックを決め、車両に組みつけて試乗

⑥ 試乗してみてわかったこと&「もっとこうしたい」を反映した&狙った中身の仕様変更を④のリアダンパーに対しておこない、再び車両に組み付け中

というわけで、俺の理解ないし認識が正しいなら、ここの画像は上記⑥の時点で撮影されたものです。「撮影されたもの」って、撮ったの、俺なんですけど。

--で、すいません。教えていただきたいんですが、後ろのダンパーを別タン式にしたというのは……。

「静的な後軸重量からいってもそうですけど、受け止めて支えないといけない運動エネルギーの大きさを考えると、このクルマの場合、一般的なモノチューブのタイプから別体タンク式に変更することのメリットは、これはもう、試すまでもなく明らかにあるんですよ」

--それは、どういうことですか。

「使われる状況や必要な減衰の大きさを考えると、このクルマの場合、一般的なモノチューブのタイプでは仕込んだ減衰値がちゃんと額面どおりには発揮されないことが多い、ということです」

--それはつまり、フリーピストンが高圧を受けてガシュッと激しく動かされてしまってワーキングシリンダー内にスキマができてしまったり……とかの?

「まあ、そういうこと。別タン式にするというのは、いってしまえば、ツインチューブ化するようなものですよ」

--へえ。

「モノチューブの苦手なところが出ない、出にくいように」

--じゃあ、フロントのダンパーはどうなるんですか。

「フロントに関しては、ツインチューブをいかす方向でやろうと思っています」

--「いかす」というのはつまり、いまある純正のものをそのまま使うということですか。

「さあ、どうでしょう(笑)」


マジャール物件のリア用。ツインチューブ、低圧ガス封入タイプ。

「ロッド外径11mmというのは、国産ダンパーの規格ではないですね」

ーーおー。

「だから乗り心地いいんですよ(笑)」

ちなみにMADE IN CZECHIA……はまあナルホドとして、さて、どこ社のでしょう。わかりませんでした。

ちょっと興味あったのでググりましたところ(検索フレーズはshock absorber plant czech republic)、このクルマ……というかこれがついてたクルマが生産されはじめた時点でKYBのチェコのshock absorber plantがすでに稼働してるっぽいんです。んー。もしかして日本にないイイ部品、使ってたりして。

スプラッシュさんは河口湖らへんだったかで開催されたプレス試乗会で乗って、まあビックリしたですよ。舗装のヒドい道をぶっとばしたときの乗り心地の快適さ。走破性の高さ。

そういえばスプラッシュよりは最近の話で、SX4 S-Crossさん(これもマジャール物件)。箱根だったかのプレス試乗会で乗って「おおっ!!」ってなって「これ、ダンパー、もしかしてSACHSですか?!」って訊いたら「いいえ」だったことがあります。そのときの正解:KYBヨーロッパ

※なお、後刻さらにアレしましたところ、Tenneco Automotiveもチェコに工場があることが判明しました。テネコというかモンローというか。むむむ。


●2022年2月3日

お客様がたへ。

例の911のサスペンション関係、リア用のダンパー(別タンつき)筐体にリニア特性ピストン+スターター仕様のバルブスタックが組み込まれるところまできているそうです。文章のほうも早く追いつかねば、という感じです。すいません。


●2022年1月26日

はい。これらはナニモノかといいますと、そうです。ダンパーのロッドの先端についているピストンです。どっちもBilsteinのモノチューブ用で、外径は36mm。あと真ん中の穴、ロッドの先端部の直径が少し細くなってネジが切ってあるところ(「首下」というそうです)が入り込む穴ですが、それの直径が8mm。なお、ロッドのメイン部分の直径は11mmだそうです。でもってどちらも、この画像で見えてるのは圧側減衰バルブが載っかる側。英語でいうとcompression valve sideです。

わかりやすいので黒いほうで説明すると、見えてる穴というかオイルの通り道が合計6つあります。その6つが「4つと2つ」にグループ分けできるのは、わかりますか。時計でいうと、ほぼ12時と6時の位置にある穴。これらが「2つ」のグループで、残りが「4つ」のグループ。圧側のディスクバルブは、このうち「4つ」のグループのほうをフタします。こちら側に見えている「2つ」のグループの穴は一段低くなったところに開口していて、つまりディスクバルブがおっかぶさった状態でもしっかりスキマがあるようになってます(伸び行程ではそのスキマからオイルが入っていって、反対っかわにあるディスクバルブを押し開けます)。

「4つ」と「2つ」。「4つ」のほうはオイルがツーツーで減衰が低い。2つのほうは狭くてギューギューで減衰が高い。ダンパーの減衰のボリュームは通常「伸び側>圧側」で、「だから4つの穴のほうをフタしてるのは圧側なんだな」というふうに理解してください。

こういうレンコンの輪切りみたいな見た目のピストンを使ってダンパーを組むと、その減衰特性は「リニア」になります。リニア型の減衰特性がほしいときに使うピストンはレンコン型、あるいは「丸穴」です(デグレッシブ型の減衰特性を得るために使われるピストンは「角穴」です)。

黒いのとグレーのとがあるうちで今回の主役は黒いほうなんですが、パッと見、どうでしょう。グレーのと較べて、明らかに穴というか開口部の面積がデカいですよね。「このサイズのなかでオイルの通路を可能なかぎりたっぷり確保したい」という設計者のココロがよく見える感じです。

流路面積がデカいとなにがイイか。たとえば段差乗り上げのときの“ダダン!!”(場合によっては“タタン”)で、ダンパーのピストンの速度はすーごい高いところまでいきます。いってしまうんだそうです。その際に流路面積が足りないと「瞬間的にものすごく高い減衰が出て、ストロークが止められてしまう」(by プロの人)。ストロークが急激に止められてしまうと、そうです。ガツッとくるわけですね。カドの立ったショックが発生してしまう。でもそこで流路面積がたっぷりあれば、ごく短時間のうちにドバッと大量のオイルを通過させることができるのでストロークが止まりにくい、ということです。ガツッときにくい。

もうひとつはロッドの太さ……というか細さ。ロッドが細いとなにがイイかというと、ディスクバルブがオイルに押し開けられてグイッとたわむのをジャマしない方向、ですよね。たとえ外径と厚さがいっしょでも、内径(真ん中の穴の径)がデカいと、そのぶん、ディスクバルブはたわみにくくなります。限度いっぱいまでたわんで開いても、オイルをドバッと通過させにくい方向。

さらにもうひとつは、ディスクバルブがたわんで開くときの、変形のしかた。専門的には「ベンディング・モード」というそうですが、グレーのほうの場合、簡単にいうと3箇所でめくれ上がるように変形します。折れ線が三角形になるカタチ。それに対して黒いほうのは2箇所でめくれ上がります。折れ線が、平行な2本の直線。どっちが変形しやすいかは、これは直観でわかりますよね。

そのスジでは「ニーマルCK」と呼ばれているこの黒いほうのピストン、メルセデス・ベンツの「ごく普通の乗用車」のリアのダンパーに使われてるのを見つけたのがプロの人的には最初だったそうです(それが何十年前のことだったかは、訊いてないので俺はわかりませんが)。それでオッとなって調べたらMB専用品というわけではなくて部品として入手できることがわかって……という。

いまのメルセデス・ベンツの乗用車のリアのダンパーにニーマルCKのピストンが使われているかどうか、俺は知りません。でも少なくともある時期のメルセデス・ベンツのリアのダンパーはBilsteinのモノチューブでピストンにニーマルCKが使われていたわけで、でもってその採用目的のうちの重要なひとつが「乗り心地の快適さ」だったであろうことはフツーに推測できます。それと、あの、路面からの入力を受けてゆったり揺れるというか、揺れるときはゆったりとしか揺れないというか……の気持ちよさのヒミツの一端がこれだったんだな、ということも。

ニーマルCKのピストン、プロの人のところではわりとよくお見かけします。ダンパーを新規で製作するときや中身の仕様を変更するときに使われています。ある種の目的なり狙いなりを実現するにあたって重宝する部品、なんでしょう。

「それで、ひとつすごくおもしろかったのはね」

--はい。

「このピストンを使って組んだダンパーをつけて乗ったオーナーさんで、『乗り心地がメルセデス・ベンツみたい』っていった人がいたんです」

--ほう。おー。

「こっちからは詳しいこと、なにも教えてなかったのに。細かい事前情報なしで、ただ乗っただけで『ベンツみたい』って」

--あー……。

「世の中には、おそろしく感度の高い人がいるんですよ。そのときのクルマはフォルクスワーゲンの……」

--あ、その人、俺の知ってる人だと思います。

「そうですよ」

はい。「ダンパーの部品はひとつひとつ、細部の形状からなにからなにまですべて、意味と理由があります」とプロの人はいいます。そのなかで、今回は「ピストンに開いてる穴のデカさ」に着目してみました。



●2021年11月26日

https://twitter.com/KYBEurope/status/1464172284940374016

In November 1946 KYB received an order from Nissan to trial manufacture 20 shock absorbers. Following that Toyota also enquired. KYB then started tests & research in Gifu. This drawing is one of the 1st shock absorber illustrations from our founder Shiro Kayaba.

tweetより。

「1946年11月に日産よりショックアブソーバー20本の試作のオーダーを受けた。続いてトヨタからも打診があった。これらを受けてKYBはテスト&リサーチを岐阜にて開始。この図は創始者シロー・カヤバによって描かれたもので、当社のショックバブソーバーの図解 としては最初のもののうちのひとつである」。

……という翻訳で合ってるかどうかアレですが、そんなことよりこの断面図です。


●2021年9月9日

TRACTION FOR SALEのp207からp211にかけての本文(AMCイーグルのヨンクの話)、こちらでタダで読めます。

https://chromjuwelen.com/.../212033-from-derisive-hoots...

本に掲載されてる画像もあります。NP119型トランスファーケースの断面図をグイッと拡大して見れたりしてナイス。



●2021年8月21日

※続きまして、こちらはモリケータ8月19日投稿のコピペです。

こないだアレしましたジムニーの、ノーマル状態における「気になる揺れ」に関しまして、俺が(プロの人に教えてもらって)「あ、こういうことかな」と理解したところを図にしてみました。以下、その説明です。よろしかったらおつきあいください。

図①Aと同Bは、ジムニーの後輪が路面の凸に乗り上げているところです。

図②Aと同Bは、ジムニーの後輪が路面の凸のピークを通過して、言葉はヘンですが、「乗り落ちている」ところです。

図①A。前後方向で見ると、凸に乗り上げ中のジムニーの後輪は車両後方へ引っ張られます。トレーリングアームの付け根のゴムブッシュとかが変形して、ホイールベースが長くなる方向。上下方向で見ると、ジムニーの後輪は上のほうへ持ち上げられます。サスペンションが縮む方向。

それともういっこ、図①Aで車軸まわりに車輪にかかるチカラ。これは、クルマを減速させる方向にかかります。

図①B。これは何かというと、デフ+アクスルハウジングの全体がいわゆる「首振り」の動きをしているところです。そのチカラは「駆動反力」torque reactionで、方向としては「車軸まわりに車輪にかかるチカラ」の反対。なので、このように。

図②A。凸のピークを過ぎて「乗り落ち」になると、前後方向では、さっき車両後方へ引っ張られたのが戻ってきます。ホイールベースが短くなる方向へ。上下方向では、縮められたサスペンションが伸ばされる方向へ。

車軸まわりに車輪にかかるチカラは、クルマを加速させる方向にかかります。

図②B。デフ+アクスルハウジングに「首振り」の動きをさせるチカラは、これもさっき(図1のとき)と反対方向になります。右回りの赤い矢印。

で、この右回りの赤い矢印で表されている首振りの動きによってダンパーの伸びストロークが加速され、ピストンスピードが「けっこうな高速域」にまで達してしまいます。ダンパーの減衰の出かたは基本的に「速度依存型」で、つまりピストンスピードが高くなると減衰も高くなります。

ジムニーの場合、フツーに減衰を盛ってしまうと、路面の凸の「乗り落ち」のところでデフ+アクスルハウジングの「首振り」の動きが悪さをして「伸びてる途中でガン!!と止められて、落とされる」不快な揺れが出てしまいます。けっこう強烈に。で、どうやらそれが一番のワルモノだった、みたいです。そいつ(ら)“だけ”を取り除くには、ではどうすればいいか……という。


※8月10日に森慶太のアカウントで投稿したもののコピペです。

JB23Wのたぶん10型。ジムニーってホンモノだしすごい楽しいキャッホー!!なクルマなんですが玉に瑕というかprice to payというかノーマルは乗り心地的に気になる揺れーー揺れというかショックに近いんですけどーーがあって、それはどんなのかというと、例の「伸びて急に止められる」系@リア……のキツいやつ。路面の状況によって。常に出てるわけではないですが、そこそこ頻繁に。サスペンション(リア)が伸びてる途中でキュッと止められるとシートにのっかってる乗員は真上に放り上げられる感じになって、一瞬の無重力状態を体験した直後にドスン!!……になるわけですが、ジムニーで初めてそれというかアレを体験すると、腹筋が反射的にキュッ!!と緊張しながら「うわっ!!」と思います。で、それ以降は常に身構えるように。身体が無意識に緊張しちゃうのです。「あのアレ、こんどはいつくるか、いつくるか……」。

この個体は、そのアレが、乗り心地上すごく気になるアレだけが「ない。出ない」……と、よくしたもので、乗っていて、身構えるモードに身体がならないんです全然。リラックスしてシートに体重をあずけたまま、ずーっとノホホン気分で乗っていられるジムニー。例の、NHK(ノホホンと快適、の頭文字)ですね。これしか乗ったことない人だと「あー、ジムニーって乗り心地イイんだね〜」で終わりです(あるいはもしかして、そんなことすら思わないまま♪ランランラ〜ンか)。でも、ノーマルのやつを乗ったことがある人だと「??????」になります。「イイんだけど、これさえなけりゃなあ」だったのが消えて、あとに残るはひたすら素晴らしきジムニーの世界。

乗ってビックリしたので、思わず

ーーすいません。あのジムニーのアレ、なんかすごいんですけど!!

「あれはねー、けっこう苦労したんですよ。ほしい快適さに到達するまで『もうちょっと、もうちょっと……』で工数かかりました」

ーーそれはまあ、そうでし……

「ただし、苦労したのは九磨が」

ーーあ、そうなんですか。

「詳しい話は、なんなら電話、かわりましょうか」

ーーあ、こんど教えてもらいます。


●2021年7月8日

さて、これはいったいナニモノ?!

昭和のアルミホイール、ではないですよ。

正解は、ツインチューブダンパーのボトム部に組み込まれているバルブのボディです。それを、上から眺めたところ。見た目が白っぽいほうが、国産車用。見た目が黒っぽいほうが、欧州車(というかドイツBM車ですが)用。どっちも、内径32mmのインナーチューブのボトム部に組み込まれていました。つまり、同サイズ。これらの上に、ディスクバルブがのっかります。のっかって、穴(図の「角穴」のほうです)をフタします。塞ぎます。

そのディスクバルブは、伸び行程でリザーバーからインナーチューブ(ワーキングシリンダー)へとオイルが戻ってくるとき開きます。というか、オイルを戻すために開きます。ピストン下室とリザーバーとの圧力差で(といっていいんだと思います)。

リザーバーからインナーチューブへオイルを戻すため(だけ)のバルブなので、「チェックバルブ」です。つまり、「ここでは減衰は出ません」(by プロの人)。減衰(圧側)を出すためのバルブスタックはこの画像や絵では見えない、バルブボディの裏っ側に組み込まれます(が、そっちは今回の話には関係ありません)。

縮み行程でインナーチューブからボトム部の減衰バルブを通ってリザーバーへと追い出されていったオイルを、伸び行程でリザーバーからチェックバルブを経由してインナーチューブへ戻す。ここで「オイルをちゃんと戻す」がものすごく大事で、どのくらい大事かというと、「そこさえちゃんとできてれば、減衰なんてテキトーでもオッケー!!」とプロの人が断言しちゃうくらい大事……だし、現実にはそうそう簡単に「ちゃんとできて」にはならないので、「ツインチューブダンパーで乗り心地を快適に仕上げる作業は(モノチューブの)5倍ぐらい面倒」ということにもなるのです。

出ていったオイルを「ちゃんと戻す」がちゃんとできてないとどうなるかというと、ダンパーの基本のキでありますところの「ワーキングシリンダー内が常にオイルで満たされていること」というお約束がまもれなくなって、「簡単な話、作動不良」になるわけです。

クルマ好きなら誰でも……かどうかはアレとして、国産車と欧州車。乗れば、わかりますよね。乗らなくたって見りゃわかりますが、乗ってもわかる。乗り心地なのか乗りアジなのか……の違い。乗ればイッパツ。

その違いの要因として「車体のしっかり度」の高い低いはもちろん大きいです。すごく大きいですが、もういっこ、これも大きなものとして、そうです、今回の話題でありますところの、えーと……「ダンパーの作動環境のよしあし」ですね、も、あるのです。ドイツ車とかの欧州車についてるツインチューブダンパーでは「作動不良」が一切発生しないかというとそんなことはないでしょうが、でも国産車のほうが間違いなくヨリ頻繁にその「作動不良」が発生している。日常的に。俺らはそれを(あるいは、それも)感じて「あ、欧州車だね」とか「あー国産車だー」とか、わかっちゃっているのです。フフフフ身体は正直だぜ、お嬢さん。

「作動不良」。オイルがなかったら、マトモに減衰なんて出ません。だから「減衰のともなわないストローク」がスコッとかへコッとか発生して、その先で液面に当たってガツン。道がいいところなのに上屋の揺れがピタッと止まってくれない。「忙しい揺れ」がほぼ常に出てる。揺れの種類が多い。乗り心地に「雑味」がある。等々、走行中に起きてることやそれを説明するための言葉はいろいろですが、こういう不満や不快の原因がダンパーの「作動不良」なのです。その「作動不良」の原因がグニャグニャのゴムブッシュやマウントやヘナヘナ&ペラペラの車体だったりもするのですが、とりあえず今回はダンパー(のなかみ)に着目ということで。

リザーバーからインナーチューブ(ワーキングシリンダー)へオイルを戻す。昭和のアルミホイールみたいな見た目の物件×2でいうと、そのためのメインの通路は図中で「角穴」と言及されてる部分です。白っぽいのと黒っぽいのとを見較べて、その「角穴」の合計面積、どっちがデカいですか? これはもう、一目瞭然。でもって、できるだけ短時間にたくさんオイルを戻したいなら、通路の面積はデカいほうがいいに決まってます、よね。

見較べると、白っぽいほうは「角穴」の面積、笑っちゃうくらいチャイチーです。※チャイチー:「ちいちゃい」のバンドマン用語

それと、その「角穴」を断面で見ると。断面といってもスライス方向ではなくて、ケーキを包丁でアレしたときみたいな断面で。

と、黒っぽいほうのは、地面から穴に落ち込むところがパキッと直角ではなくてアールがついてます。対して、白っぽいほうのはパキッと直角。オイルフロー的にどっちがスムーズか、想像してみてください。

昭和のアルミホイールならぬ、このバルブボディ、いわゆる「焼結」モノです。粉体の金属を型に入れて熱をかけるとこういうふうに成形されるわけですが、作るほうの都合でいうと、強度的に不利なのはメンドくさいです。なので、穴はあんまりデカく開けたくない。あと、カドをパキッと直角ではなくアールをつけるのもメンドくさい。「そこをなんとかひとつ……」と日本のダンパーメーカーの人がお願いしたかどうかはわかりませんが、もしお願いすると、焼結屋さんは「こわれるよ」とか「値段、◯倍になるよ」とかいって難色を……。わかりませんが。

もしかして、日本の焼結屋さんにはこういうの(黒っぽいほうのみたいな形状)、技術的に作れないのかもしれません(わかりませんが)。「いいダンパーをモノにするためにはこういう(黒っぽいほうのみたいな)形状が必要なんだ!!」というのが日本のダンパー屋さんのアタマになかった(し、いまもない)、という可能性もあります。テスターにかけて安定のサイン波入力でグイングインやるだけなら「問題ないです(キリッ!!)」になるので。ホントはこのへんちゃんとしたいけど、そのためにカネつかってもクライアント様は「ウフフわかってるよね?」なので……という可能性もあります。「前と値段同じだったら使ってやってもいーよー」。

白っぽいの、そのもの……ではなかったでしょうが、国産車用国産ダンパー用の焼結の部品を手にとって眺めた専門家(といってもクルマやサスペンションのではなく流体力学の)のA先生はいったそうです。「これ、流体を直接相手にする部品の形状ではないです」(うわー)。これを上品さをゼロにして(俺が)意訳すると「こんなのゴミだよ」になります。

白っぽいのと黒っぽいのと。色が違ってるのにはワケがあって、白っぽいほうは焼結で成形した、そのまんま。黒っぽいのは、たしか「四酸化三鉄」=Fe3O4だったと思いますが、その皮膜の色。なんでそんな被膜をアレするかというと、表面硬度をアップするため。バルブボディの裏表にバルブやなんかをアレしてシャフトを通してそのシャフトをガチャンとカシメる際に、表面硬度が低いとカシメられたときに座屈しかねない。座屈しちゃうと寸法やクリアランスが狂って、狙った減衰その他の特性が得られない。だから……という。

じゃあ国産車用のダンパーは焼結の部品の表面に皮膜をアレしてないかというと、してます。してますが、「ピストンにはやるけどボトム側には……」じゃないかと思います。つまりこれもというか、「ダンパーのチューニングとは『減衰をどう盛るか』」だとしか思ってないことのあらわれのひとつ、ではないかと。はい。つまり、「作動環境」とか「減衰の応答性」とかの重要性がわかってない(「いや問題ないです(キリッ!!)」)。

この投稿、ここまで読んでる人、読んだ人、いますか。俺は正直、ちょっとだけ、ギブアップして「以下次号」っていいたい感じです。でも続けますけど。

で次は、これら「昭和のアルミホイール」物件に上からフタしてるディスクバルブの開きかた。どうオープンするか。答えは白っぽいのも黒っぽいのもどっちも「リテーナー摺動タイプ」で、ディスクバルブ全体がズワッともちあがるカタチで開きます。油圧の上昇を受けて、コイルスプリングがたわんで。ディスクバルブの中央部がガチッと固定されていて油圧を受けるとその外周部からめくれ上がるカタチでオープンする「センタークランプ」のタイプと較べると、これは形式上、格上です。エラいです。「ダンパーの作動環境」や「減衰の応答性」への意識が高い系。なぜかというと、外周部からめくれ上がるよりも全体がもちあがったほうがオイルの通路の面積を大きく確保するにあたって有利だから。つまり、「ワーキングシリンダー内が常にオイルで満たされていること」のお約束をまもりやすいから。

……なんですが、問題その1はその「リフト量」。当然ですが、バルブボディにフタしてる状態から、できるだけいっぱいバーンともちあがったほうが有利ですよね。オイルの流路面積的に。「ちゃんと戻す」的に。

なんですが、較べるとその「リフト量」、白っぽいほうは黒っぽいほうと較べて明らかに、笑っちゃう(ていうか泣いちゃう)くらいチャイチーです。なんのためにわざわざ「リテーナー摺動タイプ」にしたのか。欧州車のをカタチの表面だけマネしただけで満足だったのか。そういうのはサルマネというんだけどなー。※チャイチー:「ちいちゃい」のバンドマン用語

「もともと穴(角穴)の面積もチャイチーなんだから、リフト量なんてそんなに確保する必要ねーべよ」と、設計した人はいうかもしれません。もっというと、ヘタに圧側でオイルをリザーバーへアレしちゃう(追い出す)と戻せないからなのか、白っぽいほう、「丸穴」も明らかにチャイチーです。「丸穴」とはつまり、圧側ストロークのときのオイルのメイン通路ですけど。

問題その2は、「昭和のアルミホイール」物件に上からフタをしてるディスクバルブをさらにその上からギューッと押さえつけてるコイルスプリング……のレート。線径と巻数。簡単にいうと、白っぽいほうのはヘニャヘニャで、黒っぽいほうのはグイッとしてます(さわってみればイッパツ)。つまり、「簡単なことでは開かないけどイザ開いたらバーン!!といくぜぇ〜」(黒っぽいほう)か、「簡単に開いちゃうけど全開したところでたいしてリフト量≒流量ははないっす〜」(白っぽいほう)の違い。皆さん、どっちがいいですか。「必要な量のオイルをサッサと戻したら、すぐにバチッと閉まるぜぇ〜」と「ナンかあるとまたすぐ開いちゃうか、それかずっと閉まらないままかもしれません〜」と、どっちがいいですか?!

問題その3は、ディスクバルブとバルブボディが、閉じてるときにどこでどう、当たってるか。図中の「土手」です。そのスジではリム(rim)っていってるあたり。これ、ルーペを使ってノゾくとイッパツなんですけど、白っぽいほうは、断面でいうと線で当たってます。ということは、グルっと一周だと、面で当たってます。

対して黒っぽいほうは、断面でいうと点接触で、グルっと一周だと線接触。「ハリツキ」(剥がれにくさ→開き遅れ)が発生やすいのがどっちかは、想像してもらえればアレですよね。これもまた「焼結」のモンダイ?!

以下次号にて。


●2021年6月12日

Radial tires have different characteristics of springiness from those of bias-ply tires, and a different degree of slip while steering. Motorists were not accustomed to the feel, hence the suspension systems of cars had to be modified. Ford Motor Company engineer Jack Bajer experimented in the 1960s on a Ford Falcon, by giving it less tight steering, and adding both isolators to the drive shaft and bushings to the suspension, the latter being to absorb the thump of riding over asphalt expansion joints in a concrete roadway. Cars could now be made lighter because they would not have to make up for the deficiencies of bias-ply tires.

ラジアルタイヤはバイアスプライタイヤとはバネ特性が異なり、また操舵時の滑りの度合いも異なる。当時のモータリストはそうした感覚の違いに不慣れだったため、クルマの側でサスペンション系を変更する必要があった。実験的な試みとして、1960年代にフォード・モーター・カンパニーのJack Bajerはフォード・ファルコンの操舵レシオを落とし(オソくし)、またドライブシャフトとサスペンションのブッシュにアイソレーターを追加した。後者の目的は、アスファルトの継ぎ目を乗り越えた際の叩かれるような衝撃入力を吸収させることにあった。バイアスプライタイヤの欠点を埋め合わせる必要がなくなったことで、(ラジアルタイヤの特性に合わせて作られたクルマにおいては)重量をヨリ軽くすることも可能となった。

出典こちら。https://en-academic.com/dic.nsf/enwiki/679120

ヘタクソな翻訳ですいません。

「ラジアルタイヤはハンドル操作に対してバイアスプライタイヤよりもクイックに反応するから操舵系のレシオをスローにする必要があった」

というのがひとつ。

「ラジアルタイヤは(カーカスに嵌めてある箍のせいで)路面の継ぎ目を通過した際の衝撃入力が強いからドライブシャフトとサスペンションのブッシュにアイソレーターを組み込む必要があった」

がふたつめ。サスペンションのブッシュにアイソレーターというのはつまり、ゴムブッシュのことでしょう。

「ラジアルタイヤ装着が前提のクルマは重量をヨリ軽く作ることができた」

というみっつめ、そのココロは?

「ラジアルタイヤはバイアスプライタイヤよりもタイヤじたいが真っ直ぐ転がってくれるから、車輪の保持剛性はそれほど高くなくてもOK」

ということなんでしょうか。それとも、

「ゴムブッシュに衝撃入力を吸収してもらえるようになったので車体じたいはそれほど頑丈でなくてもOK」

なのか。

そういえば、むかーし(小学生の頃)ウチのクルマ(空冷ワーゲンの前がダブルトレーリングアームで後ろがスイングアクスルのやつ)が車検から戻ってきたときかなんかにタイヤがラジアルにかわってて(と父親がゆってて)、で乗ったら「あ、カタい」と思った記憶があります。

空冷ワーゲンでも、前がストラットで後ろがセミトレになったやつはもしかして、ラジアルタイヤ装着が前提だったりしたんでしょうか。


●2021年4月22日

季刊[ムーブ](三栄書房)05号=1996年春号のなかに『蹴りながら、曲がる WRC用4WDシステム最新事情』と題した6ページの記事(「text : 国政久郎」)があります。非常にぐいぐいリーダブル。三菱ランサーのグループAのラリーカーの4WDシステムについて考察してるんですが、さてお立ち会いはそのスケマティクス(4つめの画像)。「国政+MOVEによる推測」となってるのは、思っくそ極秘情報なので教えてもらえなかったからです。じゃあなんで“わかった”かというと、「ギアを入れた状態で前輪を(車両前進方向へ)回しても後輪は回らないけど、後輪を(同)回すと前輪は回った」からだそうで。

この4WDシステム、エンジン→トランスミッション→後軸は常に直結です。でも前軸へは途中にワンウェイクラッチ(なのか電子制御クラッチなのか)がカマされていて、コーナーでハンドルをきりこんでフロントがリアよりも大きな半径で(ということは後輪よりも高い回転数で)回る状況になったときはフロントの駆動が切れるようになっています。後軸からの干渉や駆動トルクの影響を減らすかなくすかして、フロントのグリップを可能なかぎりコーナリングのためだけに使えるように。一方、直進加速やきったハンドルを戻しながら加速のときは、可能なかぎり、できるだけ、直結ヨンクに→トラクションや姿勢安定性最強方向。

ここまではまだ比較的ナルホドか「へえぇ〜」なんですが、ビックリしたのはプロの人、これと同じような機構を自分でも作って実際にクルマ(GC8型インプレッサ)に組み込んで走ってみたんだそうです。トランスミッション→後軸は直結で、フロントへはワンウェイクラッチ(スプラグクラッチを使ったそうです)経由で、というメカを、元センターデフがあったスペースに収まるように設計して。で結果は、「運転はしやすかったけど、タイムがいまひとつ……」。スペース等の都合により、ガチに直結ヨンクにできるほどの能力がワンウェイクラッチになかったことが原因として考えられるそうですが、この話を聞いたときは「うわー……」と思いました。「こんどそれ、お見せしますよ」。おー……。


●2021年4月1日

写真の物件。向かって右のは、スバルVIVIOのエンジン-フロントバルクヘッド間に取り付ける「ピッチングストッパー」と呼ばれる部品です。

で、向かって左。これはなにかといいますと、そのピッチングストッパーがついてたところに、ピッチングストッパーのかわりにつけるダンパー。浅間火山耐久レースで使う競技車両のためのものです。モノチューブ+別体タンクでストローク長は30mm。駆動反力や路面(ヒドい凸凹道です)のせいでエンジン+トランスミッションがユッサユサする揺れにブレーキをかけようという、もっというと洗濯板状の路面でちゃんとトラクションがかかって力強く加速ができるようにとの狙いで設計製作されたものです。やったのはもちろんというか、プロの人。

競技用VIVIOでは公道走行ができないので、まずはナンバーつきのユーノス・ロードスターでテスト(国政ブログに記事あり)。少なくとも3仕様が試されたそうで、そのうちわけ(と順番)は……

1. デグレッシブ型の減衰特性で圧側+伸び側の両効き

2. リニア型の減衰特性で伸び側のみ

3. リニア型の減衰特性で圧側のみ

車体のブル感を減らしたりギアシフトのフィーリングが良くなったりの効果に関しては1の仕様や2の仕様がヨカッタそうですが、目的はあくまでトラクションのかかりのよさ。ということで、3の仕様がそのままVIVIO用に……ということになったのだと俺は理解しております。

あ、すいません。モタモタしてたら、すでにこっちに写真+記事がアップロードされておりました。ので、どうぞ。

https://blog.goo.ne.jp/suspensiondrive



●2021年3月31日

https://car.motor-fan.jp/pages/sun-a02

昭和3年から昭和14年にかけて刊行された戦前のモーターファン、合計15号だったかがここで読めます。お好きな人、どうぞ。


●2021年3月29日

これ(画像)なんですけど、ヨンクのセンターデフ。遊星ギアです。トランスミッションからキャリアへ入ってきて、リングギアからリアへ。サンギアからフロントへ。イニシャルの前後トルク配分比は「41:59」で……といったらどこのクルマのかわかりますよね。サプライヤー的にはたぶん、GKNなんちゃらというか旧栃木富士産業というか。はい。

なお、この画像の「これがサンギア」とか「これがプラネタリーピニオンギア」とかの文字+線の説明(たぶんbyどこかの媒体の編集部)、なぜか全部間違ってます。位置がズレちゃってます。いっこズレちゃえば全部ズレちゃうんで、まあしかたないというか。なので無視していただいて、アタリマエですけど赤紫がサンギアです。オレンジがピニオンギアです。ダーク水色がリングギア(内歯)です。んで、トランスミッションからキャリアへ入って、リアへはリングギア(内歯)から。フロントへはサンギアから。

で俺は、この図の各ギアの歯数を数えました。サンギア(赤紫)が39で、リングギア(内歯:ダーク水色)が57で、ピニオンギア(オレンジ)が9。サンギアとリングギアの歯数の比は39:57で、これ、どうですか。「41:59」と較べて。

39+57=96なので、この合計が100になるような比率で拡大すると40.625:59.375。小数点以下なんちゃらを四捨五入して整数にすると、まさに「41:59」になりますね。つまり「歯数の比」ってことです。ここまで読んで(あるいはそれより前に)「あったりめーだろ」って思った人、いますか。いますよね。でも俺はいま“発見”したのです。ユーレカ!!



●2021年3月9日

どうやら今日(2021年3月9日)はSUBARU VIVIOさん29歳の誕生日のようです。発表日から数えて、なんでしょうけど。

ということでこれ。浅間火山耐久レース参戦車両Team Original Box #88 VIVIOさんに搭載されるEN07型エンジンの背面側というか、バルクヘッドに面してる側です。

一見してわかるのはV字型のステーというのか、美しい仕上がり……はいいとして、こんなの、もちろん純正状態ではついてません。去年の最終戦でここ(V字物件のボトム部がくっついてるところ)のブラケットがブチ割れてエンジン+トランスミッションがガターン!!ってなったのでその対策。ブラケット単体だといわゆるカンチレバー状態で、しかもフロント側左右のマウント×2の位置が位置なので、ここにはけっこうな荷重がのっかっています(「トラクションを目方で出してるような」by プロの人)。そこへもってきて、あの悪路全開走行。しかも長時間。

そのストレスをシリンダーブロック側へ分散させよう、というのは、見れば誰でもわかります。出来上がった状態を眺めたら「あーナルホドね」なんですがこれ、もし材料と道具をポンと渡されて「作って」っていわれたら、どうですか。俺だったら、まず寸法を出すところからして憂鬱になります。ナナメってるし、3Dだし。

あとそう、当該ブラケットの下側についてるゴム部品。パッと見て「あっ」となった人もいるかもですが、ユーノス・ロードスター用のエンジンマウントです。#88 VIVIOさんの場合エンジン+トランスミッションの搭載位置を純正よりもいくらか嵩上げしてあって、それもコミで(あとボルトの位置とかも)「ぴったり」だったんだそうですが、それにしても、なんでそういうの、わかるんですかね。