●2024年10月5日A アンチダイブジオメトリー
昨日の午後から夕方にかけての頃、近所に住んでるおじさんから電話がかかってきて「ちょっと、茶でも飲まない?」。はあ。いいっすよ。
でいっしょにコーヒー屋さんでコーヒー飲みながら茶飲み話をして、そのなかでこのクルマの話題が出たわけです。CX-60。そっからのアレで、さっきまた思い出しまして。
この図(三栄の、すべてシリーズより)でひとつすごく面白いのは、フロントのロワーアームの車体側の取付点を結んだ線の角度。
それも含めて、あるいは、それによく表れているように、フロントのアンチダイブジオメトリーをハッキリと意志をもってというか意図的に、減らしているのです。ゼロに近づけている。
モータージャーナリストの人とかでマツダのシャシー設計の人と話する機会がある人は、こんどあったときにこのへんのこと、是非ひとつ訊いてみてください。
●ずいぶん昔、1990年代半ばあたりだったように記憶しておりますが、
最後のカリーナ
……だったかのプレス試乗会で、
プジョーのダンパーの話になったんです。
そっち方面担当の技術者と。
──乗り心地、イイっすよねえ。
「あれはね、冷えてると、音が出るんです」
●調子に乗って書きますけど、昔、三菱で、
トルコンATなのに±のシフトができるやつ、
あったじゃないですか。車種名でいうと、FTOとかそのへん。
でやっぱりプレス試乗会で、そっち方面担当技術者に俺、ゆったんです。
──ポルシェのティプトロニックって、あるじゃないですか。
「ほう、そんなものが……」
あのこれ、「えーっ?!」って、なりますよね。
ここ以外に関しては、めちゃくちゃアタマいー感じの人だったんです。なのに肝心のところになったら突然……という。
●さらに調子に乗って書きますが、
サンゴーGT-Rのとき。
「フロントに駆動がかかって引っ張っていってくれますから……」
のところで手を上げて質問した人がいまして、Gんさん先生。
──それは、すでにフロントタイヤのグリップをいっぱいまで使い切ってるところからでもそうなるのか……
それを受けてMズノさん、
「すいません」
でした。
●2024年10月7日A YouTube きいろちゃん
●2024年10月7日B レバー比
サスペンションとかの、いわゆる、レバー比。
細かい話はアレとして、
Aはレバー比=1の状態。
Bはレバー比=0.5の状態(これをレバー比=2っていう場合もあります←0.5との関係は、逆数ですね)。
今、ここにあるバネの単体のレートがたとえば3.0kgf/mm、いわゆる「3キロ」だとして、
Aはレバー比=1なので、実効レートも「3キロ」です。
じゃあ、Aのときとまったく同じバネをBのときのように使ったとして、その場合の実効レートは?
俺もそうでしたけど、つい、「あー半分」って。
でも答えは単体レートかける「0.5の2乗」で、
0.75kgf/mmつまり単体レートの4分の1。
ということはどういうことかというと、
レバー比=0.5のサスペンションで
「3キロ」の実効レートを得たい場合、バネ単体のレートは
「12キロ」じゃないといけない、ということです。
現実のクルマでいうと、マクファーソン・ストラットの場合のレバー比は、0.9ちょい、ぐらいです。たしか。たぶん。
ダブルウィッシュボーン系のクルマだと、レバー比=0.6ぐらいは、フツーにあります。
マクラーレンW1フロントサスペンションは、フロントサス2つのプッシュロッドクランクをつなぐ長いストラットを搭載しています。 小さな電気モーターも付いています。 マクラーレンはフルカーボンファイバーシャーシを使用していない。
フロントサスペンションのセットアップには、チタンのトルションバーとアクティブなヘーブエレメントのクロスリンクも含まれています。リアにはヘーブを制御するアクティブなドロップリンクを搭載したZバーがあります。
フロントサスペンション設計は空気効率化にも貢献し、プッシュロッドとインボードダンパーシステムの下部ウィッシュボーンを大幅に引き上げ、車後部に向かって空気の流れをきれいに保つ。
●マクラーレンW1
っていうクルマなんだそうです。
この動画のスタート後8秒あたりから、
リアのZ-barが見えます。見れます。
フツーのスタビ(アンチロールバー)は、簡単にいうと、
左右のアシが互いに同相にしか動けないようにする方向で
チカラ(抗力)を発生するデバイスですが、
このZ-bar(MP4-12Cの紹介記事では「アンチ・アンチロールバー」と呼ばれたりもしてました)の場合、
はたらきはその逆。すなわち、左右のアシが互いに逆相にしか動けないようにする方向で抗力を発生します。
で(というかでもというか)。
このW1のリアのZ-barの両端と左右のアッパーアームを連結している2本のdroplinkはactive物件、なんだそうです。
画像を見ても、それっぽいです。ただの棒じゃない。
よくわかりませんが、電子制御でもって伸びたり縮んだり、
あるいはカタくなったりヤワくなったり、するんですかね。
でもってheaveをcontrolするという。よくわかりませんが。
●2024年10月10日D タックアンダー
これもスイングアクスル系です。
「タックイン」は聞いたこと(読んだこと)あっても、
「タックアンダー」は
なかなかアレなんじゃないでしょうか。
●2024年10月10日E スイングアーム
やはりすごく有名な画像。
いわゆる「ロールセンター理論」だと、マクファーソンストラットにしろダブルウィッシュボーンにしろ、これまたいわゆる「仮想スイングアーム」ってのがあるわけです。
でもこれは、仮想でもなんでもないガチのスイングアーム。
「仮想スイングアーム」と較べると、アーム長が、ものすごく、
短い。
というのは「スイングアーム」という形式そのもののアレなんですが、
そのなかで、いかにしてスイングアーム長を長く確保するか。
と、いわゆる「ロールセンター高さ」をいかに低くおさえるか(下反角とか水平とか上反角とかの、要するにアーム角で考えたほうがわかりやすいと俺は思いますけど)。
それらを念頭において設計されたのが、これです。
拾ってきた(パクってきた)画像に、赤い点をチョンと描き込んであります。なんでそんなことをしたかというと、一般的なスイングアーム式と違って、これの場合、ラテラルアームのピボットはこの1点なんです。だからです。
で。
ふつう、後輪駆動で「独立懸架」だったら、デフは車体側に固定というか、ゴムブッシュはカマしてあったとしても、されるじゃないですか。
ところがこれの場合、デフ部分も左後ろアシといっしょに動かないと、成立しませんよね。
どうやってんだろう。
もちろん、そうならそうなりのやりかたはあったんでしょうけど。
じゃないと成立しませんから。
●2024年10月11日 プジョー407SW
ついさっき。
ベランダから外をみたら
プジョー407SWがとまってて、
直後にピンポン。
「おお、これは……」と思ったら、
「やっぱり!!」でクワちゃん先生。
——で、これ……。
「V6なんですよ」
——あらー。
「でもやっぱり、舵感はよくて」
——あー。
「フロントのアシが……」
——はいはい。あのタイプだから。ちなみにパワステは、たしかJTEKTで。
「そうなんですか。高速で水たまりに突っ込んだときの手応えとか、感動しました」
——おー。
●2024年10月12日 「リニア型」と「飽和型」
「すいません俺、読んでないんですよ」「じゃあ、あげるよ」「あざーす!!」で、
もらったカーグラ。
パッと開いてこのへん↓読んでて
「なんかサイトーさんみたいだな」
って思ったら、ほんとにそうでした。
ま、そりゃあねえ。
で。
ダンパーの減衰特性には大きく
「リニア型」と「飽和型」
というのがありまして、
このへん、この2台に関しては、わりと(かもっと?)典型的に
そのケースじゃないか、というようなことを、
読んでいてアレしたのでした。すなわち、
ドブロがリニア型で、ベルランゴが飽和型。
「飽和型」は、もっとわかりやすく言うと
デグレッシブ。アメリカのガイジンは
「ダイグレッシブ(digressive)」って言ったり書いたりしますけど。
リニア型と飽和型。
いちがいにどっちがイイとかはないでしょう。
適材適所。使いこなし。
でもというか、俺がこれまでに乗って「うわ、イイなあ!!」ってなった純正ノーマルのクルマは、どっちかというとリニア型のが多かった気がします。
なんでそんなことがわかるのか。
はっはっは。
教えてもらったからに決まってるじゃないですか。
●2024年10月13日 on-center feel
●「オンセンターフィール」
ってなんだ?
ってなったのでググったら。
「ハンドルがほぼ中央にあるときのステアリングの応答性と感触。センター感覚が良好な車では、ハンドルが少し曲がっても中央に戻る傾向があり、直進安定性に役立ちます。」
●さっきの「定義」からすると、アレですね。
ハンドルをちょっときると、真っすぐ=センターへ戻ろうとする。
戻る。
そういう応答性というか手応えがちゃんとあれば、
「オンセンターフィールは良好」
でありますよと。
ほう。
●日本語には「N感」という言葉がありまして、
Nはニュートラル(neutral)のエヌ。
ハンドルの先についてるタイヤが
CFもSATも出してなくて、
したがって手応えもなくて、
だから「あ、まっすぐだな」とわかる。
そういう手応え……というよりは、
「手応えのなさ」。
乗ったことある人なら一発で話が通じるでしょうけど、
重ステって、軽いときはパワステより軽いんです。
●2024年10月19日 キャスター
●この絵というか図は、手描きです(見りゃ、わかりますね)。
ご覧のとおり、どこにでもあるような自転車。
黒の点線は、自動車業界でいうところの「転舵軸」です。
1点鎖線は、前輪中心(点A)を通る、地面に対して垂直な線。
黒の点線と1点鎖線のなす角が、キャスターアングル。
じゃあ実線はというと、そうです。フロントフォーク。
ほとんどの自転車がそうなってますが、前輪中心(図の点A)の位置は、転舵軸に対して車両前方へオフセットしています。
ということで、「点線と地面の交点」から「1点鎖線と地面の交点」までの距離が、そうです。キャスタートレール。
もし上記のオフセットがなかったなら、この自転車のキャスタートレールはもっと長くなっていました(図でいうと、「点線と地面の交点」から「2点鎖線と地面の交点」までの距離になります)。
キャスターアングル(と、キャスタートレール)はなんのためなのか。クルマの世界だと、教科書的な説明としては「直進性をよくするため」なんてのがあります。
さて。今仮に、この図の地面がスッと消えたとします。さらに、自転車をこの位置に(地面が消えちゃったので空中に)固定したとします。
で、ハンドルをグルッと180°回す。
と、前輪中心は点Aから点Bへと移動します。
じゃあ現実にはどういうことが起きるかというと、もちろん地面は消えたりしないし自転車を空中に固定しておくこともできないので……
自転車のフロントの車高が上がります。車高というか、ハンドルバーの高さというか。はい。
その状態(ハンドルバーをまっすぐからグルッと180°回した状態)で、まあフツーに走れます。走れちゃいます。
「あっ!!」てなるのはむしろ、止まってるとき。
なにかしらのキッカケで、ハンドルバーが本来のまっすぐの位置へ戻りたがって、で、グルン!!と戻ります。
ここからは俺の推測ですが、ほとんどの自転車は
前輪中心の位置を転舵軸よりも車両前方へオフセットさせた「ハンドルの向きがまっすぐのときが一番フロントの車高が低い」な転舵軸まわりのジオメトリーによって、ある種の直進性というかセルフセンタリング特性を得ている……のではないかと。
●何年か前、4輪自動車の(フロントの)キャスターアングルに対する興味関心がググッと盛り上がったことがありまして、で、インターネットのヤホー(じゃなくてGoogle)でいろいろ、アレしてみたんです。
ざっくりでいうと、昔のクルマってフロントのキャスター、ついてて(寝てて)もせいぜい3°半ぐらいなんですよ。
明らかに寝てる度合いが強いなと思うと、エンジンが後ろに載って乗ってるクルマ。911とかX1/9とか(ただしというか、MG-Bはフロントエンジンのクセにミョーにフロントのキャスター、寝てました←なんですが、エンジンが6気筒のMG-B改めMG-Cではキャスター、立たせる方向に変わってました)。
これはどういうことかというと、「キャスターを寝かせるとハンドルが重たくなっちゃって困る」です。
重ステがアタリマエの時代ということで。
大昔のトヨタのハイラックスなんかはフロントのキャスター、ネガティブでした。つまり、寝てる方向が、垂直を通り越してフツーと真逆。
それでも、ニューマチック・トレールのぶんをアレすれば、キャスタートレールは実質ゼロよりプラス側に振れてたんでしょう。ちゃんと。
それくらい、「キャスターを寝かせるとハンドルが重たくなって困る」は切実なモンダイだったんでしょう。
たとえばVWゴルフでいうと、重ステ仕様もあったIIIまでは、キャスターが3°か3°半か、それくらいでした。
IVでパワステが標準装備になって、キャスター、いっきに寝ました。
ベンツでいうとW116で旧型比、これまた、2倍どころか。
なんでそんなにキャスター、寝かせたがるのか。
ホントに、いわれてるほど「直進性のため」なの?!
この続きは、またこんど。
●レーシングカーでいうと、たとえばダラーラ312(2012年型のF3であることがわかるようになってるネーミングですね)は、取説を読んだら16°超。乗用車基準だとありえないくらい寝てますが、これはまあ、理由、想像つきますよね。「旋回外側の前輪の対地キャンバー角をちゃんと確保したいから」でしょう。
●画像出したいんですけど、どうしても見つからない。すいません。
1970年代のアメリカの自動車雑誌の比較試乗の記事。
ベンツのW116と、キャディラックと、ロールス・ロイス。
そのスジでいうところの「定点」、コーナリング姿勢の写真がありまして、3台中、あきらかにベンツは
旋回外側のフロントのアシの縮みっぷりが激しかったですよ。
で、対角線上の、すなわち旋回内側の後輪の接地荷重がアレな感じに。
いわゆる「ダイアゴナル・ロール」ですね。
●2024年10月24日 小林彰太郎
ほとんど話したことがなかったので、これはよく覚えております。
クルマはえーと、オースチン・セブン、だったような。
なお、人差し指はホントはこんなピーンとまっすぐじゃなくてダランと湾曲してないとなんですが、もう描きなおす気力がありません。すいません。
●2024年10月29日A Damptronic
BilsteinのDamptronicはいわゆる「セミアクティブ」のダンパーで、採用例としては日産のR35 GT-R(標準)とかポルシェ911のPASM(オプショナル)とか。
つまり有名といえば有名な物件。
機構上の特徴は、簡単にいうと、
「圧力差によって引っ張り込まれるか押し込まれるかしたオイルがディスクバルブを押し開けてポートを抜けていく、その経路が2つある」
です。
その2つの経路を、ここではAとB、としましょう。
経路Aは、フツーといえばフツー。こちらはコンスタントなほう。
経路Bはバリアブル。なにが変わるかというと、オイルの通路にシャッターがあって、それの開き具合、閉じ具合。シャッターが全閉ならフルハード。シャッター全開ならフルソフト。
そのシャッターの開き具合閉じ具合を、オンボードの各種センサーからの信号というか情報をもとに、ソレノイドかなにかのアクチュエーターでもって、連続的に変えていく。
……と、ここまでわかってれば、いえれば、ほとんどのモータージャーナリスト様たちよりも、この件に関してあなたは詳しいです。
●2024年10月29日B 1983年
こういう姿カタチを見ると
「あー1983年だー」
って思っちゃうわけですが(いわゆるフラットボトムなんちゃら)、
同じ1983年にマクラーレンの車両は
全然、こういう姿カタチになってなかった
……ような気が。
●2024年10月30日A シビックRS MT
この動画で言及されてる「某プロドライバー」、
誰かと思ったら
桂“コボちゃん”伸一さんでした。
いいね。
シビックRSのMTのドライバビリティの問題。
ホンダ、なんとかしてくれよ!!
「『こんなんじゃ同乗者が気分悪くなっちゃうよ!!』との声が多数ありまして……」
とかって上司に報告すればハンコ捺してもらえるんじゃないかな。
●2024年10月30日B PEUGEOT 206
このコはウチへやってきた当初(からしばらく、かもっと)
ボデーというかフレームというかの表面に
PEUGEOT 206
って黒々とプリントされてました。
プレス試乗会でもらった物件だったのです(あらためて、ありがとうございます)。
気がつけば、ご覧のとおり。
いつのまにかそのプリントが
すっかり擦り切れてしまっておりました。あらまあ。
ウチにあるこの種の道具(NASAのテクノロジーがなんちゃらってやつはぶっこわれました)のなかではいちばん使いやすかったので
いっぱい使って、
開けた本数、100や200や300や……じゃきかないです。
だってプジョー206、出たの、そーとー、アレですよね。