「すべてがはじまったのは、供給重視の経済学を信奉する人々が主導権を握り、減税すれば歳入が急増し、財政を均衡させるばかりか、軍備増強もできると主張したときからである。うまい話に聞こえたが、唯一の問題は筋が通らなかったことである。なぜレーガン大統領が均衡予算を提出しないのか、私には分からない。その試みすらしていない。レーガンだけを非難できない。議会も自己欺瞞という陰謀に加担している。われわれ国民も見て見ぬふりをしている」(昭和六十一年九月十五日、日本経済新聞)〉
下村治『日本は悪くない 悪いのはアメリカだ』より。
いいねえ。特にナイスなのは、たとえば
「うまい話に聞こえたが、唯一の問題は筋が通らなかったことである」
のくだり、ですかね。